◆日本神話の源流 2016年10月28日
https://blog.goo.ne.jp/himiko239ru/e/00c1636e1c904cfe1241e6c4017993ad

学習院大学の名誉教授で芸能史学者の諏訪春雄氏によると、記紀の天孫降臨神話は朝鮮半島から内陸アジア地域にかけて広く分布する
祖神の天降り神話に由来するという定説に対して、
南方の長江流域の少数民族社会にも祖先が穀物を持って天から下ったという神話や伝説が流布していることから、
天孫降臨神話は北方諸民族の山上降臨型神話によってその骨格が形成され、
これに天から穀物をもたらし地上の人類の祖先となる南方農耕民族の神話が融合して誕生した、と唱えた。

出雲の根の国神話についてもその由来を長江流域の少数民族の神話や伝説に求めることができるという。
さらに諏訪氏は、東南アジアの兄妹始祖洪水伝説の系列に属するとされていた記紀の国生み神話が、
実は長江流域に数多く発見される洪水神話に基づくことを論証し、

東南アジアで発見される洪水神話もその分布状況から判断して中国から伝播したものである、
つまり洪水神話はその源流は長江流域であるとしている。

そしてこれと同じ理屈で、海幸山幸神話の原型も長江流域の伝承が取り込まれたのだと主張する。