皆の衆、ひさしぶりじゃ。世直し主水でござる。
この間久しぶりに東京に出張してきた時のエピソードを紹介したい。
拙者は改札口を出て、駅前のとある回転鮨屋に入った。
そこで拙者は鮨を握っている店員に
「穴子握ってくれんけ。」と頼んだ。
すると店員は「ハイよ!」と威勢の良い声でさっと出してくれた。
なかなか良い感じの店だ、と思いつつ、
今度は「マグロ握ってくれんけ。」と頼んだのである。
するとこいつは「お客さん、廻ってます。」というのである。
そんなことは百も承知。私は握りたての鮨を食いたいのだ。
「わしは新しいのが食いたい。回転しているのは嫌じゃ。」と言ったら、
「お客さん、ここは回転鮨屋です。廻っているお皿の方からお召し上がりください。」と言い返してきたのである。
私はすかさず、「金沢やったら注文したらその場で握ってくれるが、東京では握ってくれんがか?」と言ってやった。
すると店員はしぶしぶ握り始めた。
しかし、こんなサービスの悪い店ではこっちも食う気がしなくなった。
「もう結構だ。」
さっさと精算をすませて店をでてやった。
金沢の回転鮨屋ならそんな事はない。
皿が回転していても、頼めば嫌な顔一つせず、店員がその場で握って出してくれるのが普通である。
やっぱり金沢の鮨屋はサービスが数段上である。日本を代表する観光都市ならそれが当たり前。
このような温かいサービス精神がある限り金沢の未来は明るい。
しかし、心配な処もある。「シンコ、煮蛤、ヅケ、蒸し鮑」など手の込んだネタを注文してもできないのである。
「鮨職人たるもの、その程度のものができなくてどうするのだ。」と言いたい。
アボガドやキャビアを鮨ネタに使うのも結構だが、これからの回転鮨屋は将来の為に、金沢の新鮮な素材を使って
しっかり基本のネタを勉強してもらいたい。

Heyキム
http://i.imgur.com/APQt5wc.jpg