住宅地 19年連続下落 基準地価

 県は19日、県内の基準地価(7月1日現在)を発表した。住宅地の平均変動率はマイナス1・3%で19年連続の下落、商業地は同1・5%と24年連続で下落した。いずれも前年から下落幅は縮小した。調査は397地点で行われ、新規を除く387の調査地点で前年に比べて地価が上昇したのは24地点(宅地見込地を含む)、横ばいが50地点となり、313地点で下落した。

 ■住宅地

 1平方メートル当たりの平均価格は2万5400円。地価が上昇したのは前年より18地点増の20地点。下関市が最多の10地点で、宇部、周南市で各3、山口市で2、下松、岩国市で1地点ずつあった。

 最も地価が高かったのは、「和木町和木3―4―28」。県政策企画課によると、福祉施策の充実や、広島県に近く利便性が高いことなどから、10年連続で1位となった。

 市町ごとの平均変動率では、人口減や少子高齢化などの影響を受け、上関町がマイナス4・2%で最も下落幅が大きく、阿武町が同3・7%、萩市が同3・4%と続いた。

 上昇率が高かったのは、「下関市秋根本町1―2―23」で2・8%。JR新下関駅周辺の道路整備などで需要が増加した。続いて、山口大病院に近い「宇部市南小串2―10―29」で1・8%だった。

 ■商業地

 平均価格は4万5000円で、地価が最高だったのは、「岩国市麻里布町2―9―24」で19年連続トップ。上昇率では、「山口市小郡下郷字渡り上壱1256―11」が3・8%と最も高く、同課によると、JR新山口駅北側の周辺整備に対する期待感から上昇した。地価が上昇したのは、宇部市で2地点、山口市で1地点だった。

 市町別の平均変動率で上昇した市町はなく、商業地の調査地点がない和木町を除く全18市町で下落。下落率が最も大きいのは上関町でマイナス4・4%。阿武町が同4・3%、萩市が同3・6%と続いた。



 調査を担当した県鑑定評価員の寺井博教・代表幹事は「下落幅は年々縮小しており、経済情勢に伴って回復基調にあるようだ。ただ、工業地帯の山陽と企業の少ない山陰など、二極化が鮮明になってきている」と分析している。

http://sp.yomiuri.co.jp/local/yamaguchi/news/20170919-OYTNT50572.html