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【街みらい 北九州市政点検】響灘を洋上風力発電の総合拠点化 部品メーカーや専用船誘致、人材育成
http://qbiz.jp/tb/article/146763/1/
北九州市長選を巡り、現職の北橋健治氏(65)は、自らの多選自粛の政治信念を覆し、4選立候補を
決めた理由の一つに「洋上風力発電の総合拠点化に道筋をつけたいため」と説明している。若松区響灘
地区に、40基超の洋上風車を設置するだけでなく、港湾部に組み立て基地を整備。洋上設置に必要な
特殊作業船の母港化、メンテナンス人材の育成なども進める構想だ。その先には、一般海域と呼ばれる
さらに沖合への風車設置も念頭にある。現計画では、九州電力子会社や電源開発などで作る「
ひびきウインドエナジー」社が、響灘地区北側の約2700ヘクタール(水深20メートルほど)の
海域=イラスト参照=に、約1750億円を投じ総出力22万キロワットに及ぶ海底着床式の風車を設置
。2017年8月から環境アセスメントが始まり、着工見込みは22年度からで順次稼働させる。実現
すれば、国内最大規模となる。この動きを念頭に、産業集積が始まっている。
 風車の部品数は1万〜2万点に及ぶとされ、市は響灘地区への主要部品メーカーの誘致に力を注ぐ。
既にベアリングメーカー「日本ロバロ」や、メンテナンス会社「北拓」が進出し、活動を始めている。
今後も、部品メーカーや物流拠点の進出が予定されている。一方で市は新年度から、響灘地区の
埋め立て地約6ヘクタールに風車を組み立てる専用エリアを3年計画で整備する。総重量が1基約
900トンに上る風車を一定程度組み立て、特殊作業船に積み込める地盤強化が柱だ。約30億円に
上る費用は、2700ヘクタールの海域の使用料収入などで賄う計画という。日本で数少ない特殊作業
船誘致も実現。所有する五洋建設は2月から、北九州港をメンテナンス拠点などとする母港に位置付ける。
 風車は20年以上にわたって運転を続けることから、100メートル前後の高さがある風車内を上り下りして
メンテナンスする人材も不可欠。将来的には、地元雇用が数百人規模で必要となる。
 このような総合拠点化を進めることで、北九州周辺にとどまらず佐賀、長崎など西日本エリアへの
供給基地となることを目指す。昨年12月に閉会した臨時国会で、一般海域でも洋上風力ファームを
広範囲に展開できるようにする関連法案が可決された。漁業関係者らと調整し、国が全国の海域で「
促進地域」を指定。一定のルールを設け、参入を促す新たな仕組みだ。国も18年度から、響灘の
一般海域での風車設置を見据え、風況や海流などの調査に着手している。北九州地域が再生可能
エネルギーの一大拠点となる可能性を秘めている。