ライトアップされるミクスタ側へ
都心花火 海上へ移転 北九州「わっしょい百万」 高層住宅に火の粉
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/488891/
北九州市の夏の風物詩「わっしょい百万夏まつり」のフィナーレとして市中心部の勝山公園から打ち上
げられる花火大会が、今年からJR小倉駅北側のミクニワールドスタジアム北九州そばの海上に場所を
移して開かれることになった。主催団体の5月の総会で正式決定する。市中心部に高層マンションが増え
、花火による火災の危険性が増していることなどから一時は終了を検討したが、名物花火の存続を望む
声もあり、安全を確保しやすい海上を打ち上げ場所に選んだ。夏まつりは、同市や北九州商工会議所
などでつくる振興会の主催。北九州市制25周年を記念し1988年に始まった。例年8月初旬に
2日間にわたって開催し、昨年は延べ約153万人が訪れ、花火は約3千発を打ち上げた。花火を
巡っては2016年8月、建設中のマンションに火の粉が降りかかる事案が発生。火災には
至らなかったが、警察などから厳しい指導を受け、約100メートルまで打ち上げていた高さを制限
することになった。翌17年は台風接近で中止。18年、これまでの半分程度の高さまでしか上がら
ない「小型煙火(えんか)」を中心に開催した。花火が見えるエリアが狭くなったため観客が密集して
転倒などの危険性が増した上、「花火が小さくて迫力がなくなった」などの批判も相次いだ。福岡市で
毎年行われていた「西日本大濠花火大会」が昨夏で終了となるなど、全国各地で安全面から開催を取り
やめるケースが相次いでいる。振興会は花火の終了も検討したが、北九州市が建設したスタジアムに
観客席を確保できるなど、安全性に一定のめどが立ったため、存続を決めた。今年の夏まつりは8月2
から4日に開催される予定。花火は同2日夜、スタジアム東側の海上から打ち上げられる。バック
スタンドの高さは約6・5メートルで、海を望みやすい構造をしており、眺望を遮るものがないエリア
を中心に花火の観客席として販売する。スタジアムはサッカーJ3ギラヴァンツ北九州の本拠地として
活用されており、収容人員は約1万5300人。
=2019/02/22付 西日本新聞夕刊=