室生犀星
ふるさとは遠きにありて思ふもの      そして悲しくうたふもの          よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや

坂口安吾
ふるさとは語ることなし