乗客減の熊本県内バス3社 減便、路線見直し加速
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190309-00000014-kumanichi-l43
熊本県内のバス事業者3社が路線バスの減便、運行区間の一部見直しといった動きを加速している。
人口減少などに伴う利用者減が大きな理由だが、最近では運転手不足が本数維持を難しくしている要因に浮上している。

 熊本バス(熊本市)は3月1日のダイヤ改正で、5%程度の便数削減を実施した。全23路線のうち熊本交通センターと通潤山荘(山都町)や南区役所(熊本市南区富合町)などを結ぶ20路線で、利用が少ない日中の時間帯を中心に運行本数を減らした。
5%規模の削減は2015年10月以来のことだ。

 山都町や美里町など沿線の乗客減が主因。18年4月〜19年1月の乗客は227万8千人と前年同期に比べて2万1千人減っており、利用実態に即した運行本数にしたという。

 熊本都市バス(熊本市)は4月から、29路線のうち「池田京町」「本山車庫」など8路線で平日日中を中心に運行本数を5%減らす。
5・9%削減した17年2月以来で、「対象には他社と競合している路線を選ぶなど利用者への影響を極力抑えた」と説明。さらに6月にも3路線で減便や一部区間の廃止を検討している。

 一方、主に熊本都市圏以外の路線を運行する産交バス(同市)は地元自治体や住民との協議を踏まえて、4月から菊池市や大津町など複数の地域で利用の少ない路線(系統)の一部見直しを実施する。
対象は全系統のうち10%程度としており、利用の見込める区間を増やす一方で、少ない区間を乗り合いタクシーに転換するといった方策を取る。

乗客減とともに、運転手不足も大きな課題だ。
熊本都市バスの場合、熊本地震前に207人いた運転手が地震後は169人と約2割減った。
待遇のいい復興関連工事に人手が流れているのが影響しているとみられる。

 4月時点で大幅なダイヤの見直しを予定していない九州産交バス(熊本市)も運転手不足を強く懸念。「今後、減便や路線廃止を検討している」と言う。

 熊本電気鉄道(同市)も「熊本地震以降、バスの運転手を募集しても集まらなくなっている。
これ以上、人手確保がままならない状況が続けば、運行本数の見直しを検討しなければならない」と話している。