広大な裏日本地域に比べると、小さな離島である沖縄県。
一見すると都会と言える大都市は裏日本の方がありそうな気がするが、現実は違うようだ。

裏日本最大都市である新潟市は人口80万人と言われている。
沖縄の県庁所在地那覇市は32万人だから、一見すると新潟の方がはるかに大きいように見える。
しかし那覇市の面積は39.98km2と狭い。新潟市が726.45km2であることを考えると、明らかな差があるのだ。
新潟は戦後期の昭和の大合併と21世紀に入った平成の大合併で市域を拡大し続け、政令市に昇格した。
旧市内の中枢部である中央区内でも市街地を少し離れれば鳥屋野潟あたりには広大な田んぼ地帯が広がる。
一方那覇は、戦後期にアメリカ領だったため昭和の合併を経験せず、
21世紀でも特に合併をしなかったので市域が一般の県庁所在地の中でも狭い。
那覇市域の人口密度は東京特別区、大阪市、横浜市に次いで4番手で、首都圏や関西に肩を並べるほどの都会なのである。
那覇市を中心にした中南部都市圏エリアは面積約478km2に約116万人が暮らす。
人口の密集も、見た目のビルの数や高さなども、新潟市よりも那覇の方がよほど都会なのである。

一般的に大都市には地下鉄やモノレールと言った交通手段があるものだが、新潟市にはそのいずれもない。
那覇には「ゆいレール」がある。
新潟はそもそも都会じゃないから、こうした市街地と郊外を結ぶ都市交通が成り立たないのである。

90年代いっせいを風靡し、去年、引退した安室奈美恵。

J-POPの歌姫として、そしてファッションリーダーとしても若者文化に大きな影響を与えた。その存在感は計り知れないものがある。

ところが裏日本にはそういう音楽シーンがないのである。
裏日本から上京して東京人のふりをして活躍する人はいても、出身地の地域性はまるで見えない。
裏日本に固有のユースカルチャーというものが見えない。おそらく何一つ存在しないのだと思う。
NGT48騒動なんか、裏日本そのものだと思う。AKB48は東京のグループで、NGTはその地方支部でしかない。
裏日本で最大都市の新潟は、日本で最も東京コンプレックスの激しい地方都市としても知られている。
新潟なのにアルタがあり、数年前まで「ラフォーレ原宿新潟」があったほど。
女子高校生のスカートが短いのは「東京のコギャルはみんなミニスカ姿である」という思い込みからだ。
もちろん現実の東京都民で、今そんなに短い人はほとんどいない。
しかし形だけ、外側だけ脳内東京カルチャーに染まっても、中身が農耕民族そのものなので、
あのえげつないムラ社会丸出しのNGT48騒動のようなことが起きるのである。

厚遇されながら寂れる裏日本、逆境から飛躍する沖縄

裏日本はとても条件がいい。表日本と同じ本州で地続きで、新潟から東京までは日帰りがギリギリできるくらい近い。
それに比べ沖縄は、県土すべてが離島で、日本本土から500km以上、東京から1500kmの隔たりがある。地理環境があまりに不利だ。
おまけに裏日本はヤマトの完全な内地、沖縄は事実上の植民地。格差は明らかにあり、
裏日本には上越・北陸と2本の新幹線と高速道路網があるが、沖縄には地上鉄道自体がそもそも存在せず、
高速は沖縄自動車道のみ。何より、裏日本には米軍基地が1つも存在しないが、沖縄は日本の米軍基地の7割を負担している。

裏日本は、もともとゲームの難易度が極めて低く、それでいて田中角栄と言った首相を輩出し、
中央から様々な恩恵を受け続けているのに対し、沖縄のハンデは琉球処分以来絶えず続いていて、
大日本帝国、米軍政府、安倍政権と時の権力から酷い仕打ちを受け続けているにもかかわらず、
自ら沖縄のあり方を模索し、行動し、時として抵抗し、あらゆる不条理をはねのけて自ら築いた道を歩み続けて、
今まさに飛躍しようとしている段階にある。

後進地方・裏日本を見ていれば、日本国に内包されたあらゆる陰部、負の面が凝縮されているようにも見える。
それによる弊害をもろに喰らうのが沖縄県のような場所だ。我々東京首都圏の人間が、日本の現状の体たらくを憂い、
まともな将来のあり方を考える時には、沖縄とどのように向き合うべきか、
事大主義のもと一方的に依存し続けている裏日本を今後はどう扱うべきかを真剣に考えるべきだと思う。