九州観光客、熊本空港から入国2.2% 18年9月までの1年間

九州観光推進機構(福岡市)がまとめたインバウンド(訪日外国人)の動向調査で、九州を訪れた外国人旅行者のうち、熊本空港から入国した人の割合はわずか2・2%にとどまっていることが分かった。

 熊本を訪れた外国人の入国場所でも2・5%とあまり変わらず、海外からの「空の玄関口」になり得ていない現状が浮き彫りになった。

 2017年10月〜18年9月にかけて、携帯電話の位置情報のデータなどを基に調べた。

 同期間に九州を訪れた外国人約357万人のうち、入国場所で最も多かったのは福岡空港の63・9%。次いで比田勝[ひたかつ]港(長崎県対馬市)、博多港、鹿児島空港−の順。熊本空港は8位だった。

 熊本を訪れた外国人(約59万人)は、福岡空港から入国した人が最も多く、73・4%を占めた。2位が博多港、3位成田空港、同列4位が鹿児島空港と佐賀空港。熊本空港は、地元でありながら6位に甘んじた。

 一方、隣の鹿児島県を訪れた外国人は、43・8%が鹿児島空港から入国している。

 熊本空港の国際線は現在4路線(一時運休中の香港線含む)と福岡空港の5分の1以下。「海外との直行便が少ないのがネックになっている」と同機構。

 熊本空港は20年4月に民営化予定。国と運営権に関する基本協定を結んだ企業グループは、東アジア路線の誘致など国際線拡充を掲げている。

 同機構は「(現在、利用者が多い)福岡空港は混雑状態。九州全体の旅行者数の底上げには他空港の入国者を増やす必要がある。熊本は九州の中央という立地優位性があり、伸びしろは大きい」と分析する。
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