<仙台市長選>大本命不在 業界・団体は様子見

 仙台市長選(9日告示、23日投開票)で、各種選挙で陣営を下支えしてきた業界・団体が表向き中立を保つケースが目立っている。
過去の市長選と異なり、政党相乗りの「大本命」が不在で当落を見極めにくいためだ。
 市医師会の政治団体・市医師連盟(会員414人)は5日、いずれも無所属で立候補する会社社長菅原裕典氏(57)、
元衆院議員林宙紀氏(39)、衆院議員郡和子氏(60)=比例東北=の推薦を決めた。3氏から推薦依頼があった。
 過去の市長選は特定の候補者を推薦し、複数推薦は初めてという。
菅原氏を自民、公明両党、郡氏を民進、共産、社民各党が後押しし、林氏は政党の支援を受けない構図だが、
永井幸夫委員長は「党派抜きで政策だけ見れば、3人の甲乙はつけがたい」と話す。
 市薬剤師会の政治団体・市薬剤師連盟(497人)も推薦依頼を受けた菅原、郡両氏を平等に扱う方針。
国政選挙では自民支持だが、北村哲治委員長は「現場(会員)のつながりは双方にある。一方に寄ると後々問題になる」と説明する。
 集会動員など人的支援で影響力を発揮してきた仙台建設業協会(77社)は特定候補の推薦を見送る。
幹部は「会員の大半は菅原氏支持だが、業界がやり過ぎると、かえって良くない」と自制モードだ。
 宗教団体では、立正佼成会が自主投票の方針。「自民支持と思われているが、選考基準は人物本位。
今回は信者にさまざまな意見があり、絞れない」という。創価学会も自主投票の方針とみられるが、公明支持の菅原氏が軸になる。
 菅原、郡両氏は東北学院大卒で、同大関係者には悩ましい構図。
後藤久幸同窓会長は「同窓会全体でどちらかを応援することはない」と中立を強調する。
 旗幟(きし)鮮明の団体も。宮城県農協政治連盟JA仙台支部は県農政連と共に菅原氏を推薦。
一方、前回市長選で奥山恵美子市長を支援した女性団体「I女性会議宮城」など複数の市民団体が郡氏支援を決めた。
 ある陣営関係者は、様子見の団体は選挙戦終盤、優勢の候補者に雪崩を打って支援に回ると予想。
「急に選挙事務所に来て『ずっと応援していた』と言うはずだ」と皮肉る。
 市長選には、元衆院議員大久保三代氏(40)も無所属で立候補する。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201707/20170707_11005.html