毎日新聞2017年9月5日 東京夕刊 特集ワイド
 
松田喬和のずばり聞きます 細野豪志・衆院議員
ttps://mainichi.jp/articles/20170905/dde/012/010/003000c

 −−離党した理由について、憲法改正や共産党との共闘問題があると記者会見で話していましたが、やはり唐突感がぬぐえません。改めて真意を聞かせてください。

 細野氏 私が民主党(当時)に入ったのは結党翌年の1999年で、2000年の衆院選で初当選しました。当時、共産党と連携するとか選挙協力すると言う人はいなかった。
私は、民主党は自民党に代わる現実的な選択肢になると思って入りましたが、18年たって大きく変貌したと思います。

 −−自分でなく党が変わった?

 細野氏 きっかけは2年前の安保法制(の成立)です。大きな分かれ道だったと思います。確かに安倍政権はやり過ぎです。
ただ一方で、北朝鮮や尖閣諸島の問題もある中、対案を出せなかった。私は政調会長として、まとめるところまでは持っていったんですが、最終的には「反対」だけに終始した。
その後、参院選で野党が共闘することになり、次の衆院選でも、となった。明確に共産党と組むべきだという方針でかじを切ったわけではなく、流れでそうなった。私には非常に強い違和感がある。

 −−代表選を見ても、安保法制は争点になっていませんでした。

 細野氏 民進党は抱えている矛盾を解くべきですが、そうなっていない。例えば、安保法制白紙撤回という文書を共産党と一緒に作っています。
しかし、朝鮮半島有事を想定した場合、後方支援強化をしなくていいのか。私はすべきだと思います。となれば、政府が出した安保法制の一部は認める必要がある。
日米が共同で、日本も米国も守るとなれば、集団的自衛権の議論を全くやらなくていいのか。
私が作りたいと思っている新党は、そういうことに現実的に対応できる政党です。

 −−政治団体「日本ファーストの会」代表の若狭勝衆院議員と接触しています。ずばり聞きますが、新党結成はありますか。

 細野氏 ずいぶん議論を重ねてきたので、大きな方向性とか理念の親和性では、いいところまで来ていると思います。
若狭さんは(検事として)法律の世界にずっといた人だから、いろいろな判断力はある方だと思います。
彼は慎重な人でもあるので、さまざまな意見を聞きながらまとめていこうというアプローチはしていますね。

 −−これから細部を詰めていくということですか。

 細野氏 そこまでは、まだいっていません。2段階の考え方があると思っていまして。25日にも臨時国会が始まります。
その時に私は無所属議員として迎えるのか、もしくは会派を作り、政治勢力を結集する方向に向かうのか、ということもあります。
政策の一致が見られない中で新党を作っても、民進党も含めたこれまでの失敗を繰り返すことになる。ですから、新党の方はもう少し時間をかけたい。