>>923
ほい

国会議事堂、衆議院議場で迎えた党首討論
菅内閣総理大臣が大量失言、ヤジ部隊も勢いを見せず惨敗だった
本会議場に響く民主議員のため息、どこからか聞こえる「ここで解散したら壊滅だな」の声
無言で帰り始める議員達の中、往年の民主党代表小沢は独り議員席で泣いていた
自民党時代で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間議員・・・
それを今の民主党で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」小沢は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、小沢ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい机の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って料亭会合をしなくちゃな」小沢は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、小沢はふと気付いた

「あれ・・・?金丸先生がいる・・・?」
議場から飛び出した小沢が目にしたのは、アタッシュケースを埋めつくさんばかりの札束だった
千切れそうなほどに札束が振られ、地鳴りのように公共工事のドリル音が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする小沢の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「一郎、総選挙だ、早く行くぞ」声の方に振り返った小沢は目を疑った
「た・・・竹下先生?」  「なんだ小沢、居眠りでもしてたのか?」
「か・・・角栄先生?生きてる?」  「なんだ小沢、かってに角栄先生を殺しやがって」
「安倍先生・・・」  小沢は半分パニックになりながら執行部一覧を見上げた
1番:安倍晋太郎 2番:渡辺美智雄 3番:金丸信 4番:田中角栄 5番:小沢一郎 6番:内川 7番:竹下登 8番:梶山静六 9番:羽田孜
暫時、唖然としていた小沢だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
谷垣禎一から議員バッジを受け取り、選挙カーへ全力疾走する小沢、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、議員席で冷たくなっている小沢が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った