新しい価値を創造するのは、常人とは少し変わった人間が多い。
ずれた価値観、突出した能力の中からしか、新しい技術、新しい価値は
生まれえないからだ。これらの才能を潰さず、むしろ育成するのが
日本が今後進むべき道。異なる価値観を認め、多様性を尊重し、
個性や長所を伸ばす教育、環境作りが求められる。

第一には教育制度の弾力化。飛び級の自由化や、能力別クラス編成、
単位制、選択科目の拡大、理数科目強化型、文系重視型、
音楽や芸術、スポーツ重視型、自学自習型、英語公用語化校など、
多様な選択肢を提供。学区制度の見直し、ネット活用の通信制を
含め新型学校の設立を支援する。

傑出した才能は同集団からは一定数以上生まれないため、先進国では
移民の受け入れ、支援制度も重要になる。移民の最大障壁の一つが
言語の壁であり、英語公用語化は世界の優れた人材獲得には必須要素となる。
社内で人材を使いまわすゼネラリスト養成型人事制度にも問題が大きい。
同じ仕事を続け、専門知識、専門技能を磨いた方が人の能力はより高くなる
のは当然の話。日本型人事制度ではスペシャリスト、傑出した才能が育たない。
全体を見渡すゼネラリストが必要だとしても、そんな存在は全体の中から
見ればごく少数でいい。日本型人事はバランスが悪く、ゆえにスペシャリストが
少なく、個々の技能が低いので必然的に生産性と、収益が悪化して
海外企業に太刀打ち出来なくなる。

新卒一括採用などという馬鹿げた制度も止めなければならない。
必要なくなった人材は組織内の他部署で使いまわすのではなく、
外部に放出し、その能力を必要とする他社で生かした方が会社の為でもあり、
本人の為でもある。社内で全く経験のない仕事をやらされるより、
他社で技術と経験を生かせる仕事をした方が生産性が上がるのは当たり前の話。
技術や経験が単一社内に留まらず伝播するので、社会全体としてみても
新卒一括採用、終身雇用制の廃止、専門職務別雇用、解雇制度の弾力化、
再就職支援などの欧米型雇用制度への移行が、日本再発展の原動力と
なりうる事は容易に想像がつく。