「リベラル」の逆は「保守」ではなく…歴史に耐えるものさしで、中島岳志さんと現代日本を読み解く政治学
江川紹子(ジャーナリスト) 10/20(金) 19:32 ←←←
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20171020-00077161/

「リベラル」ってなに?

――「リベラル」というのは、そもそもどういう概念なんでしょうか。ご著書では、キリスト教の宗教改革に起源があるとのことでしたが……。
16世紀の宗教改革以降、カトリックとプロテスタントの対立

――世界史に出て来ましたね、ウェストファリア条約。
つまり、「リベラル」の基本は「寛容」と「自由」がセット

――「自由」だけではない、と……。
「消極的自由」と「積極的自由」

――どちらも、やり過ぎると問題が生じる。
バランスのとれたのが保守的リベラル

「保守」と「リベラル」の関係

――ただ、「保守」と「リベラル」は対立するものとして語られることが多いですね。
問題はアメリカで、ここが「リベラル=左翼」のイメージを作り出している。
アメリカではどちらかというと福祉国家的なサービスをする民主党がリベラルで、個人の自由を重視する共和党が保守という二項対立だとされています。
日本は、ソ連崩壊後、左派が「リベラル」と言い始めた頃、保守も同じくアメリカの枠組みを使って、「我々は保守だ」と言うようになった。
そして、共和党的な「小さな政府」の方向に変容していきます。

――表象だけでなく、中身も変わっていった……。
かつての自民党政府は、どちらかというと大きな政府でサービスをちゃんとやります、というものでした。
政治改革の必要性を叫ぶ論者が現れ、自民党も橋本内閣の頃から、規制緩和、構造改革、行政改革に力を入れるようになります。
そして、日本は大きすぎる政府だ、個人に任せるべきだ、という「自己責任論」の方に傾斜していきました。

(略)