ちなみに、かつての派閥政治とは、このカネで結束が生まれていたのであり、かつカネは与党であり続けることにより、
組織的に企業などから流れてきたものであるから、機能したのだ。今では、政策勉強会的に派閥が機能しているが、
しかし、それでも一旦確立した派閥を崩す意味はなく、他のメンバーがどこかの派閥に属している以上、
自分もどこかには属したほうが良い。これが一番重要で、歴史と伝統の効果だ。さらに、力が弱まったとは言っても
ある程度の票と軍資金の助けにはなるから、与党においては派閥が機能し続けているのである。

さらに、広く考えると野党は絶望的な状況にある。
党は、議員や候補者だけの集まりではない。党の職員も必要だし、全国に草の根ネットワークが必要である。
要は草の根かつ全国規模の動員ネットワークが必要なのである。

支持者が組織化され、安定的に支持し、投票してくれることが必要だ。彼らのファーストコンタクトが市町村会議員であり、
次に県議会議員であり、その上に国会議員が乗っかる構造になっていることが必要だ。国会議員は中央で大きな
仕事をし、地元のために大きな利益を持ってくる。それを県、市町村に配分する。その代わり、地方議員は、
国政選挙のときは、自分の支援者を動員する。国会議員はそれらをカリスマティックにまとめることに専念する。
市町村議員もこの活動を通じて、自分の支援者の結束を強め、広げることができる。市町村議会選挙のときに、
カリスマのある、有名な国会議員が応援に来てくれれば、盛り上がり、自分の当選もより確実になる。
これぞ組織のネットワークである。