秘書ともなるとさらに悲惨だ。
いつ落ちるかわからない野党議員の政策秘書になることほど不安定な職業はない。かつては、秘書をやって政治の勉強をして
我慢していれば、後継者として自分もいつか議員になれた。いまはそういうことはほぼない。議員自身が生き残りが難しいのに、
秘書が生き残れるはずはなく、議員になれるはずなどない。さらに、議員候補者は落選して次を忍耐強く頑張るのは自分次第だが、
それについていく秘書はほとんどいない。政策秘書的な人間ならなおさら給与も高く払わないといけないから、
断腸の思いで首にせざるを得ない。政治家の秘書の人材不足は議員以上に深刻となる。
こうなると、ますます、選挙にも勝てなくなり、勝ち続けている与党議員との差は広がってしまう。

組織として最も優れた政党:公明党と共産党

さて、このような状況では、健全な野党を作ることは諦めるしかないのか。
現在、自民党以外で組織として機能している政党は2つある。公明党と共産党だ。組織としては、自民党以上にしっかりしている。
それは、彼らは与党でないか、与党になったのは最近であるから(そして少数政党だから)、自民党よりも組織として強くなければ
存続は難しい。だから、機能している、ということはすごいのである。

彼らの強みはもちろん、固定化された支持層である。数は多くないが、決して裏切らない結束の強い支持基盤がある。
どんなことがあっても上層部の支持には従う。組織として安定しているから、個人商店として選挙を戦わない。だからこそ、
選挙に強い人が偉くなるのではなく、組織人として優秀な人が偉くなるのである。比例名簿の上に載るのである。
そして、定年などがあり、きちんとローテーションする(ことが多い)。組織文化として、インテリを尊敬するところがあるから、
優秀な人材が出世する。これも組織の安定性に繋がる。だから、政党の中では、もっとも素晴らしい組織なのである。