第三に、ローコスト運営が必要である。政党をつくる、ということはゼロからのスタートである。もちろん、野党である。
だから、長い間、もしくは永遠に野党であるから、利権も組織に帰属するインセンティブも生み出すことはできない。
それでも組織を持続させるためには、組織の持続にコストがかからないようにする必要がある。

第四に、そのためには、政権交代可能な政党は絶対に目指さない、という方針が必要である。日本では政権交代は望まれていない。
過度に強くなった政権与党を牽制することだけが必要である。そのためには、公明党のように、少数政党として、連立政権に入るか、
共産党のように、野党として一貫した主張をし続けるかである。そのためには、政権をとることを目指してはいけない。
多数の候補者、小選挙区のすべての選挙区に候補者を擁立するにはコストがかかりすぎる。
最初から少数政党であり続けることを前提に党を作る必要がある。
これらを考慮すれば、結論はどうなるか。

一つは地域政党、という道があるだろう。大阪はそうであるが、あれは橋下氏という例外的なカリスマに頼ったものであり、
かつ彼が全国展開、政権獲得を目指したことにより衰退していった。地域政党と政権獲得は両立しないのである。
かつ地域政党であれば、地方自治であり、国政選挙政党としては持続的でない。全国的な政党になるための過渡期の手段でしかない。

もう一つの道は、逆説的だが、現在の日本の選挙では政策がまったく関係ない、という状況を活かして、あえて政策の軸を据えて、
それで勝負する政党を作ることである。

基礎票が得られないとなれば、浮動票層を狙うしかない。しかし、浮動票で過半数を目指すと無理が生じるし、政策も流行を追う必要があり、
浮動に応じて右往左往しなくてはならない。徹底したポピュリズムとイメージ戦略に陥ってしまう。これまでの失敗を繰り返すだけである。
だから、浮動票の中でも一部だけを獲得すればよい。そして、それを固定化することを目指すのである。

これまで何回も新しい政党やイメージ戦略で膨らんだ政治バブルを自ら作り、自ら崩壊させ、一部の浮動表層の有権者たちは
飽きていることがある。うんざりしている人も多いだろう。そのようなバブルを作っては壊し続ける周りの浮動表層に
憤りを感じている人も一部はいるだろう。

彼らは、政策で選挙に投票できる状況が生まれれば、非常に楽になるに違いない。これまでは、選挙にいかなくてはいけない。
それは国民の義務である。しかし、どの政党もポピュリズムで、風目当てで、うんざりだ、投票したいところがない、と思っていた。
だから、少しでも望みがあれば、あるいは少しでも目新しければ、試してみるか、ということで投票していたが、失望し、
そんな党に投票した自分を後悔していたはずだ。だから、政策で投票できた、という実感を持てれば、非常に楽になるはずである。
だから、政策を軸に党を作ってみよう。