日本が唯一成功した社会主義だと呼ばれるようになった理由である。
西洋の労働者が虐殺されながらも戦い続けて手にした労働者の権利を、
日本人の場合は資本家が労働者を家族扱いして与えてくれた。
日本人は旗を自らの血で赤く染める必要がなかったのだ。

そこに構造改革だ、グローバルだと、西洋モデルを強引に援用したため、
家族的経営が消滅した。そうなると労働組合は資本家と馴れ合ってきた村人なので、
労働者の権利の守り方が分からない。
また、労働者たちも「改革に逆らう労働組合は反日左翼。自民党を批判するばかりの野党はだらしない」と、
何故か労働組合や左翼政党を攻撃して肉屋を支持する豚になった。

東大を出ても労働者の権利の守り方も知らずに、ブラック企業経営者に劣悪な雇用条件で酷使されて自殺してしまう。
日本人は資本家が100%労働者の敵になる、という事態を前提にしていない。
資本家も労働者も同じ村の身内なのが日本の文化だからだ。
この文化によって、資本家が労働者を蹂躙したとき、労働者には対応策がなくなる。

韓国人よりも貧乏になった日本人が自民党の改革を支持し、
自民党を批判する労働組合や朝日新聞に強い敵意を抱く理由である。
日本人にとって自民党村や会社村に逆らう、左翼や野党は他所者であり排除すべき敵なのだ。

こういう文化の日本で構造改革をすると、日本の労働者は悲惨である。