希望の党、打算の統一会派構想 民進党との決別掲げた選挙公約はどこへ?
数に固執し政策の違い無視
2018.1.7 21:10 産経新聞

希望の党が民進党との統一会派結成に前のめりな姿勢を示している。
民進党と組むことで、衆参両院で野党第一党の座を確保できるからだ。
ただ、希望の党は昨年の衆院選で、安全保障や憲法に関して民進党の政策をことごとく否定する公約を掲げた。
数合わせを優先させる姿勢は「公約無視」という批判を免れない。

両党の政策の隔たりはあまりに大きい。
民進党が安保法制の白紙撤回を唱えているのに対し希望の党は現行法制を実質的に容認する公約を掲げて衆院選を戦った。
憲法でも希望の党は、民進党が阻止を目指す9条改正を論議の対象として明記した。
主要政策の違いを棚上げにした連携は、衆院選の比例代表で希望に投票した1千万人近い有権者への背信に等しい。
打算の統一会派結成にかじを切る希望執行部に対し、党内では不満もくすぶり始めている。

特に、中山恭子元拉致問題担当相ら保守系が居並ぶ参院には、左派系議員も多い参院民進党への忌避感が根強い。
希望の党の松沢成文参院議員団代表は「参院希望は別の会派との合流も考える」と語り、民進党との会派結成には参加しない可能性を示唆した。
野合と数合わせの実相を「寛容」というもっともらしい表現で糊塗する姿勢は、民進党への先祖返りにほかならない。

1千万人近い有権者への背信に等しい
民進党への先祖返りにほかならない
1千万人近い有権者への背信に等しい
民進党への先祖返りにほかならない