「鬼首村手毬唄」

(一)うちの裏の前栽に雀が三羽とまって 一羽の雀が言う事にゃ言う事にゃ
おらが在所の陣屋の殿様 狩好き酒好き女好き わけても好きなが女でござる
女だれが良い升屋の娘 升屋器量よし蟒蛇娘 升で量って漏斗で飲んで
日なが一日酒びたり酒びたり それでも足りぬと返された


(二)うちの裏の前栽に雀が三羽とまって 二番目の雀が言う事にゃ言う事にゃ
おらが在所の陣屋の殿様 狩好き酒好き女好き わけても好きなが女でござる
女だれが良い秤屋の娘 秤屋器量よし爪長娘 大判小判を秤に掛けて
日なし勘定に夜も更けて夜も更けて 寝る間も無いとて返された


(三)うちの裏の前栽に雀が三羽とまって 三番目の雀が言う事にゃ言う事にゃ
おらが在所の陣屋の殿様 狩好き酒好き女好き わけても好きなが女でござる
女だれが良い錠前屋の娘 錠前屋器量よし小町でござる 小町娘の錠前が狂うた
錠前狂えば鍵合わぬ鍵合わぬ 鍵が合わぬと返された