うごめく反合流派…衆参ともに野党第1党獲得に暗雲
http://www.sankei.com/smp/politics/news/180424/plt1804240050-s1.html

民進党と希望の党が24日、新党「国民民主党」を結党することで合意した。ただ、「衆参野党第一党」という目標達成には黄信号がともる。衆院では、民進党ベテランを中心に新党不参加が相次ぐとみられ、野党第一党・立憲民主党の54人に届くことは困難な情勢だ。
参院でも、民進党の新党不参加者が立憲民主党と会派を組み、新党から野党第一党の座を奪う構想がくすぶる。

両党所属議員計107人のうち、新党不参加者は少なくとも二十数人、多い場合は三十数人にのぼるとみられる。
衆院では、民進党の中川正春元文部科学相、江田憲司元代表代行らが新党に加わらない方向で、野党第一党になる可能性は極めて低い。岡田克也常任顧問も不参加に傾いている。

岡田氏らは民進、希望2党の合流では立憲民主党を含む幅広い結集につながらないと考え、新党構想に距離を置いてきた。
岡田氏周辺は「岡田氏は無所属になってフリーハンドを得て、一段階上の連携軸を作ろうとしている」と明かす。

参院では新党が野党第一党になる公算が大きいが、流動的な側面もある。岡田氏に近い民進党の芝博一参院議員らが、新党に参加せず無所属となって立憲民主党と会派を結成することを模索しているからだ。

参院民進党では芝氏や小川敏夫参院議員会長ら十数人が新党不参加の意向で、参院立憲民主党と合わせると20人に達する可能性がある。
これに対し、新党参加が確実な参院議員は約20人で、態度が固まっていない「中間派」は約10人だ。中間派の動向によっては、立憲民主党系会派が第一党に躍り出る余地があるのだ。

そもそも、民進、希望両党執行部が合流にかじを切ったのは、衆参両院で野党第一党を押さえなければ国会論戦で存在感を発揮できないと痛感したからだ。

合流を後押しした連合にも同様の計算があった。来年の参院選や統一地方選で組織内候補の所属政党が分かれる事態になれば、結束に陰りが出かねない。

これらの思惑とは裏腹に、新党構想は「中途半端な規模の党」(希望の党関係者)を誕生させる結果に落ち着きつつある。連合関係者は、こう誤算を嘆いた。

「民進党系野党の再結集を促したつもりだったが、野党第一党争いを引き起こしただけだった…」