産経「民進党離党後に無所属となる見通しの議員の中には、立憲民主党との会派結成を模索する動きがある。
    この構想が実現した場合、参院の立憲民主党系会派は国民民主党と拮抗する規模になる可能性がある。
    数合わせを優先して政策や理念の違いに目をつむる合従連衡はしばしば見られるが、
    合流した末に「数」でさえ優位に立てないのであれば、何のためにエネルギーを費やしてきたのか分からない」


民進・希望新党、合流したのに野党第2党の本末転倒!? 
http://www.sankei.com/premium/news/180501/prm1805010008-n1.html

 民進党と希望の党が大型連休明けに結成する新党「国民民主党」が目を覆うばかりの低迷ぶりだ。
両党所属議員107人のうち新党参加者は60人台にとどまりそうな情勢で、
衆院では野党第一党・立憲民主党の54人の後塵を拝することが確実となった。
民進党の大塚耕平代表(58)と希望の党の玉木雄一郎代表(48)が唱え続けた「大きな固まり」は、もはや掛け声倒れになりつつある。

 「野党が政府に対してチェック機能を果たすべきときに、新党作りにうつつを抜かしている感覚がちょっと私には理解できない」

 民進党の安住淳元財務相(56)は4月27日、国会内で開いた離党表明の記者会見で「国民民主党」結党の動きを冷ややかに評した。

 安住氏に加え、岡田克也元副総理(64)、小川敏夫元法相(70)、玄葉光一郎元外相(53)、鉢呂吉雄元経済産業相(70)…。
閣僚経験を持つ党の重鎮たちが次々と離党を表明していくさまは、旧民主党政権末期の「離党ドミノ」の衝撃度を上回る。

 国民民主党の結成は、民進党が党名を変更し、解散した希望の党が合流する方式で行われる。
つまり、民進党議員は離党しない限り自動的に国民民主党所属となってしまうため、
参加したくない場合は自分から離党届を出すほかないのだ。

 新党が忌避される背景には、民進、希望2党だけの合流では、
立憲民主党を含む幅広い野党の結集につながらないという見方が根強い。
今回の合流には、立憲民主党が政党同士の合流を拒絶している状況を踏まえた「次善の策」(連合関係者)という側面があった。
岡田氏は離党表明の記者会見で次のように語っている。

 「野党第一党である立憲民主党との関係をきちんと作っていくことが最優先ではないか。
国民民主党を作ることでかえって距離ができてしまうのではないか」

 昨年の衆院選前の民進党分裂の遺恨はいまだに尾を引いている。
岡田氏らは、民進党系3党に横たわるわだかまりを時間をかけて解きほぐし、将来的に再結集することを目指してきた。

 さまざまな理由から参加を敬遠する議員が増えていった結果、
国民民主党は衆院が40人台前半、参院20人台前半という「中途半端な規模」(希望の党関係者)で発足を迎えそうだ。

 どうにか参院での野党第一党は確保できそうだが、それすら盤石ではない。

 前出の小川氏が記者会見で明かした観測によると、参院民進党では小川氏を含む17人が離党し、
このうち10人が立憲民主党入党を、7人が無所属での活動を模索しているという。

 立憲民主党所属の参院議員は現在7人だ。
小川氏の見立て通りに10人が入党したとしても国民民主党には届かない。
しかし、民進党離党後に無所属となる見通しの議員の中には、立憲民主党との会派結成を模索する動きがある。
この構想が実現した場合、参院の立憲民主党系会派は国民民主党と拮抗する規模になる可能性がある。

 数合わせを優先して政策や理念の違いに目をつむる合従連衡はしばしば見られるが、
合流した末に「数」でさえ優位に立てないのであれば、何のためにエネルギーを費やしてきたのか分からない。