自然災害大国の避難が「体育館生活」であることへの大きな違和感
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56477

>日本と同じ地震国であるイタリアでは、国の官庁である「市民保護局」が避難所の設営や生活支援を主導する。
>2009年4月のイタリア中部ラクイラ地震では、約63,000人が家を失った。これに対し、初動48時間以内に
>6人用のテント約3000張(18,000人分)が設置され、最終的には同テント約6000張(36,000人分)が行きわたった。
>このテントは約10畳の広さで、電化されてエアコン付きである。各地にテント村が形成され、バス・トイレのコンテナも
>設置される。
>ただし、テントに避難したのは約28,000人であり、それより多い約34,000人がホテルでの避難を指示された。
>もちろん公費による宿泊である。

>内閣府が2016年4月にまとめた「避難所運営ガイドライン」にも、この国際赤十字の基準への言及がみられる。
>しかし、「『避難所の質の向上』を考えるとき参考にすべき国際基準」と紹介しているだけであり、援助を求める
>ことの権利性や国家の責任については触れていない。
>災害対策の基本法といえる「災害対策基本法」をみても、住民が「自ら災害に備えるための手段を講ずる」とか
>「自発的な防災活動に参加する」という自助努力を定める一方で、住民が援助を受ける権利を有するという規定は存在しない。
>内閣府が作成した避難所パンフレットをみても、国民が権利を有するという視点はなく、むしろ国民は避難所で
>ルールに従いなさいと言わんばかりの記載に驚く。
>このように、避難者は作業や役割分担には参加せよと指示されるが、権利者として意思決定プロセスへ参加する
>ことは書かれていない。
>プライバシーのための間仕切りも、国が責任をもって用意するのではなく、「あると便利です」と案内して
>自費で用意させようとしている。
>避難生活も生活再建も、あくまで「自己責任」が原則であるという政府の姿勢が見えてくる。