独立・民主日本はもちろん、社会主義日本に移行した段階でも、勤労者の私有財産は保障される。
経済の社会主義化にあたって、国有化が必要となる場合にも、その対象となるのは、大企業の手にある主な生産手段だけで、勤労者個人の生活に使う財産―
―生活手段の私有は、否定されるどころか、家屋や生活に必要な土地をふくめて保障され、社会の発展とともに、すべての国民が生活手段をより豊かにもてるようになる。
日本のように高度に発達した資本主義国では、大企業の手にある主要な生産手段の社会化が、経済の社会主義化への決定的な歩みとなる。
中小商工業や農業、中小漁業などの部門では、私的所有と私的経営が広く残され、国民経済におけるその積極的役割が尊重される。
これらの部門での社会主義化の主要な形態としては、協同組合化が予想されるが、そのさいにも、けっして共同化をいそがず、当事者がその方が利益になると考えて共同化を求めるときに実行するという、自発性の原則を厳重に守り、無理に押しつけるやり方はとらない。

独立・民主日本でも、社会主義日本でも、日本の高い生産力、国民の高い教育水準と労働意欲を活用し、公害のないつりあいのとれた経済発展によって、国民の求める多様な商品を生産し、衣食住のすべてにわたって国民生活を豊かにする。
商品も豊富で、質をよくし、サービスも心のこもったものに改善し、個人個人の商品選択の自由は、広く保障される。
社会主義日本では、農漁業・中小商工業など私的な発意を尊重するとともに、計画経済と市場経済とを結合して、弾力的で効率的な経済の運営がはかられる。
社会主義的計画経済は、生産力をむだなく効果的に活用して、国民生活と日本経済の豊かな繁栄を保障するための手段であって、国民の消費生活を統制したり画一化したりするいわゆる「統制経済」は、経済民主主義とも、社会主義日本の経済生活とも、まったく無縁のものである。