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2019年5月24日金曜日20時10分

選挙の供託金「世界一高くても合憲」 男性の請求棄却、東京地裁

 2014年の衆院選で、供託金300万円を用意できず立候補が認められなかった埼玉県の自営業男性(50代)が供託金制度は違憲だとして、国に慰謝料など300万円を求めて起こした国賠訴訟で、東京地裁(杜下 弘記 裁判長)は5月24日、男性の請求を棄却した。男性は控訴する方針。

 衆院選の供託金は、公職選挙法92条1項1号に定められている。判決では、供託金制度について「立候補の自由に対する事実上の制約」と評価しながらも、国会の裁量権の範囲内などとして、違憲ではないと判断した。

 男性側は、供託金制度は

(1)立候補の自由を保障した憲法15条1項、
(2)国会議員の資格について財産や収入による差別を禁じた憲法44条ただし書き

に違反するなどと主張。財産を持たない人が議会に進出するのを抑制していると訴えていた。

 判決後の会見で、男性の代理人を務めた宇都宮 健児 弁護士は、「三権分立においては、司法は国民の基本的人権を守る観点で立法や行政をチェックする。その役割を果たそうという意気も気概も感じられなかった」と判決を批判した。