誰が東京を殺すのか  猪瀬直樹が語る「東京のガン」  2016/7/13
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──東京都にとって、最大のテーマのひとつは、東京オリンピックです。なぜ五輪をめぐって、こんなに問題が噴出し始めたのですか。

組織委員会に問題があるからです。
招致に成功して、招致委員会を解散した後、組織委員会を立ち上げることになり、誰を会長にするかが大きなテーマになりました。
そのとき、森喜朗さんが、安倍首相のところに駆け込んで「俺を会長にしろ」と言ったのです。
しかし私は、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和さんとともに「民間人の会長のほうがいい。トヨタの張富士夫さんがいい」と提案しました。
すると、森さんがその案をつぶしにかかってきたのです。

そこで、私はすぐに官邸に行って、菅官房長官に「五輪は東京都とJOCが決める事項です。オリンピックが東京に決まった時にサインしたのは、
JOC会長と都知事ですよ。ワールドカップは国ですが、オリンピックは都市が中心となるものです」と話しました。
菅さんは、私の話を理解してくれました。

ただし、そうした私の動きが、「森外しをしている」という話につながって、そこから、森さんからの猛烈な攻撃が始まりました。

2013年11月号の文藝春秋に森さんの長い寄稿が掲載されて、その中では、私への批判がつづられていました。森さんは、オリンピックの利権も
握っていますから、反撃に必死になっていたのです。
そして、私が12月に都知事を辞職したことにより、森さんが会長に就任することになってしまいました。
そして去年の12月には、副会長を務めていたトヨタの豊田章男さんも組織委員会から退きました。これも森さんとやることに
いたたまれなくなったというのが真相です。