https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20200415/pol/00m/010/005000c
迅速・安価に民意を探る 内閣支持率の先行指標に
社会調査研究センターが開発した新たな世論調査の特徴は、幅広い年代から満遍なくサンプルが得られるというだけではない。
埼玉大のショートメール調査実験では、報道各社の世論調査で現れる内閣支持率の変動を1カ月ほど先取りする傾向も示されている。

大半が固定電話を持たない30代以下から回答を得られることで、世相に敏感な若い世代の声が反映されているというだけではないだろう。

従来調査も携帯に電話をかけるが、オペレーターからの質問に答える受け身のものだ。
それに対し、ショートメール調査はまず携帯にかかってきた電話で調査に応じるかを問われ、承諾した人にショートメールが送られ、スマートフォンの画面で回答ページへのリンクを自らタップする作業が必要になる。
自発的に調査に応じる、社会的な問題意識の高い層だという仮説が成り立つかもしれない。

そうだとすると、必ずしも「国民全体の縮図」とは言えないのではないか、との指摘もあるだろう。
他方で、国政選挙の投票率低迷が問題になる中、積極的に投票に行く層と重なるとの見方もできるかもしれない。

この点はさらなる調査の継続と分析が必要だ。
ただ、既存の世論調査に対しては、内閣支持率の変動を先取りする先行指標となる可能性を秘めている。

その意味で特筆すべきは、従来より迅速に世論調査ができることだ。
コンピューターが無作為に数字を組み合わせた番号に電話をかけるRDS法であることに変わりはない。
だが、オペレーターを多数そろえて電話で回答を聞き取る従来方式は準備に1週間以上、調査・集計・分析に2〜3日かかる。
それに対し、新方式は準備に1日、調査・集計・分析に数時間、つまり、即日か翌日には調査結果が出る。

政府や自治体が新たな施策を打ち出した直後やその直前に民意を探る調査方法として活用できるのではないだろうか。

社会調査研究センターは今後も頻繁に同じ方式で調査を行い、世論の行方を追っていく方針だ。


コロナがなかったら当面並行してたかもね…つくづく残念だ