野党の一線越えた国民民主、予算案に賛成の舞台裏 首相と直接協議も

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国民民主党が新年度当初予算案に賛成した。玉木雄一郎代表は「対決より解決」を掲げ、与野党問わずに政策実現を目指す姿勢をアピールするが、政策が実現するかは不透明だ。
野党としての一線を越えて、夏の参院選を前に野党の分断は確実に進む。
与党からは歓迎の声が上がっている。

 予算案が衆院を通過した22日夕、国民民主の国会控室で審議へのお礼を述べて立ち去ろうとした岸田文雄首相に玉木氏が声をかけた。
 「我々もある意味、覚悟を決めて賛成した」「積極的にこれから色々な提案をしていきたいのでよろしくお願いします」
 首相も「ご指導をしっかり受け止めて、丁寧に政治を前に進めていきたい」と応じ、玉木氏とひじタッチを交わした。

玉木氏は21日、予算案賛成の方針に強硬に反対した前原誠司選挙対策委員長にこう打ち明けた。
玉木氏側は、「その先」とは、経済安全保障やヤングケアラー対策などの国民民主の政策実現と説明するが、前原氏は「連立入り」と受け止めた。
 玉木氏は政権入りを強く否定しているが、幹部は「夏に参院選があるこのタイミングでの連立入りはあり得ない。
すべては、選挙後だ」と、参院選後の進展には含みを持たせる。

 玉木氏は予算案の異例の賛成について、連合の芳野友子会長や産別労働組合幹部からも理解を取り付けた。
芳野氏にはメールで「トリガー条項の凍結解除は(連合が求める)賃上げにもつながります」と説明。
「わかりました」と理解を得た。