読売「編集手帳」

歴史改変ものと言われるジャンルがある。ディック「高い城の男」は、第二次大戦で日独が勝ち、分割統治された米国を描く。
では、この十数年を振り返って、こう考えることはないだろうか。もし民主党が政権を取っていなかったら・・・
今も自民に対抗する勢力を維持していたのではないか。後継の立憲や国民が低迷するわけは、根強く残る「懲り懲り」感といわれる。

維新の伸長も、自公はイヤだが旧民主もイヤという層を取り込んだと考えれば、過去の政権交代の副産物と言えなくもない。
政府をピリッとさせるには野党の迫力が欠かせない。その立場も維新に譲りかねない二つの民主だろう。