科学的に言えば、噴火は島の地上部の体積を増加させる方向に働くから、
噴火によってアイスランド島そのものが沈没することはない。
もちろん、噴火の規模が極めて大きければ、島の表面に張り付いている
アイスランド人が全滅して、アイスランド語も絶滅に追い込まれる
可能性はある。本土のアイスランド人が全滅すれば、国外に遺された
アイスランド人は、かつてアメリカやカナダ等に移民したアイスランド人の
ように、いずれはアイスランド語を捨てるだろう。

しかし、いつ起こるか予期できない自然災害に頼るよりも、人為の力で
言語を絶滅させるほうがたやすい。その意味で、ソヴィエト体制が
リトアニア語を絶滅させる前に崩壊してしまったことが悔やまれるのだ。