不機嫌な薔薇

諍い ああ なぜなのか
それは互いに 慕う仲ゆえ
いとしげに 呼び交すも
とたんに 冷めた物言い

感情は 固くもつれ
瑠璃は曇り 魂は惑う
愛という名の 天蓋からは
激しい雨が 恋人たちを打つ

そう 何恐れることなく
六月の あざやかな森を
あてどなく さまよい歩き
夜明けを 待つつもりが

裏切られることもある
晴れ渡る 澄んだ空にも
一塊の 大きな黒雲が
予告なしに 現れるもの