白米に比べて消化の悪い麦飯を、生の芋といっしょにほとんど噛まずに多量にかきこむのだから胃腸には良くなさそうに見える。
しかし実際にはこれでお腹を壊したという話はあまり聞かない。
その理由として「山芋にはデンプン消化酵素が含まれているからだ」と言われてきた。
しかし山芋に含まれるデンプン消化酵素は大根と比べても極僅かで、消化促進はほとんど期待できない。
むしろデンプンの吸収を遅らせる効果があり、ゆっくり消化吸収させる作用があるという実験データがある。
これに加え、とろろ自体が食物繊維を多く含んでおり、飯に麦を入れることでさらに繊維量が増え、整腸作用が促されるということのようである。
この吸収緩和、食物繊維により、強壮作用、糖尿病予防、ダイエットといった効果があるという。とろろを食べると口のまわりが痒くなるのが難点だが、
この原因は、山芋の中に含まれるシュウ酸カルシウムである。