NO4568 5月11日 『ウイグル人戦闘員・シリアとイラクで展開』 [2017年05月11日(Thu)]
http://blog.canpan.info/jig/archive/6220

中国の最西部に、新疆ウイグル地区がある。ここは住民のほとんどがムスリムだったのだが、最近では
中国政府が進める、漢民族の大量移住で、人口構成が変わってきている。

そして、中国政府は新疆ウイグル地区で、イスラム的なライフ・スタイルを、禁止する方策に出ている。
例えば、スカーフを女性が冠ることや、男性があご髭を伸ばすことは、禁じられているようだ。

街中では、イスラム教徒が嫌う豚肉が売られ、中国政府は時折この豚肉を、ムスリムに強制して食べさせる、
といったこともあるようだ。イスラム教徒の義務である礼拝についても、もちろん厳しい禁止措置が、
取られている。

こうしたことから、新疆ウイグル住民のなかには不満が募り、これまで何度も抗議デモや、暴動が起こっている。
処が彼らには、これといった武器は無く、せいぜいナイフを使った、テロ程度であった。

しかし、こうした状況は一変した。シリアやイラクでIS(ISIL)が、過激な活動を始め、世界のムスリムに対して、
ジハードへの参加を呼び掛けたところ、東南アジアのイスラム諸国や、西アジア、アフリカのムスリムも、
このIS(ISIL)の呼びかけに、賛同し始めたのだ。

私が新疆ウイグルのムスリムの動きを知ったのは、シリアで内戦が勃発して間も無い、2012年ごろで
あったろうか。イラクやシリアでIS(ISIL)が動き始めてから、比較的始めの段階でシリアの戦線に、
ウイグル人が登場したのだ。彼らは始めのうちはアルカーイダの系列の、ヌスラ組織に加わっていた。

そして、その後IS(ISIL)の宣伝サイトを通じて、多くの新疆ウイグル人が、家族を連れてIS(ISIL)側に加わり、
子供たちまでも戦闘訓練とイスラム教育を受けていることが、誇らしげに報じられていた。

そうした経緯で、新疆ウイグル人のムスリムは、多数がIS(ISIL)の戦列に加わるようになり、今では5000人が
戦闘に参加しているということだ。このことは、シリアのイマード・ムスタファ駐中国大使が、中国政府側に
語ったことにより、明らかになったものだ。