日本史ってまあ、乱暴に言えば、
大陸を追われてきた渡来人が土着化、
旧来の土着勢力を侵略・支配、
新参の渡来者に対しては、既得権を主張し、差別、
同時に大陸に対しては、独立国を宣言。

これの繰り返しかもしれない。

一時期で言えば、

渡来系の弥生人(蘇我馬子)⇒入植白人
縄文人(物部守屋)⇒インディアン(ネイティブアメリカン)
聖徳太子⇒ジョージ・ワシントン
隋の煬帝⇒イングランド王ジョージ3世
のような関係か。

が、ここで、物部氏もまた、生粋の土着人である縄文人ではなく、
ずっと前に渡来し、土着化していた、渡来系の末裔だったとしたら?

政争の過程で、それ以前から住んでいた、「本当の」土着勢力である蝦夷をも巻き込みながら、
蘇我馬子や聖徳太子と戦う物部氏は、
蘇我氏・聖徳太子側から見れば、蝦夷と結託した旧勢力で、もはや「蝦夷同然」である。

他方で、自分こそが日本の土着人であるとして、既得権を主張している、
物部氏側からみた蘇我氏は、差別・軽蔑されるべき新参者。
そこで、かつて自らが侵攻・支配しようとしていた蝦夷をも巻き込んで抵抗する。

以前からの土着者、蝦夷にとっては、こうなってくると、物部の方がよりマシなので、
一緒になって新参の侵略者と戦う。

中央での政争に負ければ、文字通り「敗北」である。
彼らは皆、北に落ち延び、蝦夷に紛れる。扮装、或いは「蝦夷化」と言ってもいい。