アイヌ語地名、マタギ言葉とアイヌ語

 1805年、漂泊の旅人・菅江真澄は、4年間アイヌの暮らしと民俗文化を記録した後、
阿仁を訪れ、アイヌ語地名やマタギ言葉にアイヌ語が多いことを指摘している。

 「高い橋を渡ると笑内(おかしない)という部落があった。松前の西の磯伝いにも
可笑内(おかしない)というところがあった・・・何ナイ、かにナイという内(ない)は、
もと沢という蝦夷の言葉で、昔はこの辺にも蝦夷が住んでいたのであろう」・・・アイヌ
語地名が多いことを指摘している。ちなみに 阿仁は、アイヌ語の「アンニ」で、木立
の茂る様を表しているという。

 「山ひとつ越えると根子という部落があった。この村はみな、マタギという冬狩り
をする猟人の家が軒を連ねている。このマタギの頭の家には、古くから伝えられる巻
物を秘蔵している・・・かれらの使う山言葉の中には・・・蝦夷言葉もたいそう多かっ
た。」・・・山言葉(マタギ言葉)の中にアイヌ語が多いことも指摘している。

http://www.forest-akita.jp/data/school2014/school-04/school-04.html