◆象徴天皇の仕事は主に憲法に定められた「国事行為」と憲法に規定されていない「公的行為」、
それと私的行為である「宮中祭祀」などがある。このうち国事行為は全体の2割ほどで、8割がそれ以外ということになる。

今上陛下は昭和時代と比較して「公的行為」を倍増させ、天皇職を激務化させた。
その中には「観劇」など、少し頭をかしげたくなるものもあるが、地方巡幸の激増が公的行為拡大の主因である。
AKB48とは逆に「会いに来る天皇」を今上は象徴天皇制の核心に置いたということであろう。
それを念頭に「お気持ち」ビデオを観れば底流に流れる「天皇は働いてナンボ」「空を飛べなくなった豚はただの豚だ」by【紅の豚】というトーンを感じることが出来る。
これは突き詰めていけば「象徴天皇とは最良の国家公務員である。」という点に行きつく。
今上のこのドライな天皇観は今上自身のストイックな性格と合わせて好感も持つが、
これまでの日本人の天皇観とは明らかに異質なものである。
「存在するだけで、国民の象徴である。在位し続けてナンボの天皇」というショウワテンノウノ天皇観の
方に、国民の多くはシンパシーを持っているのが本音ではないか?