1 人あたり約 14 万個所の DNA 塩基多型を用いて日本人の集団構造を解明

病気のかかりやすさ、薬の副作用の有無は、私たちそれぞれで違っています。この
個人の体質の違いの遺伝的な要因を明らかにして、それぞれの人の特質に見合った治
療を行うオーダーメイド医療がスタートしています。心筋梗塞、糖尿病、関節リュウ
マチなど、さまざま疾患の原因遺伝子を同定するために、ゲノム全体をカバーする
塩基多型(SNP)を使った関連解析が、わが国はかりか世界規模で展開されています。
わが国では、この研究の中心となっているバイオバンクジャパンが、約 30 万人の日
本人の DNA、血清を集め、情報基盤としての役割を果たしています。

この研究を推進してきた理研ゲノム医科学研究センターは、これらの情報を活用し
て、大部分の日本人が2 つのクラスター、本土クラスターと琉球クラスターに大別で
きることを明らかにしました。この結果は、従来から提唱されていた日本人集団の
「二重構造説」と矛盾しない内容です。2つのクラスターの間の SNP の頻度の違い
は小さいのですが、耳垢のタイプを決める SNP や髪の毛の太さに関わる SNP の頻度
には明らかな違いがありました。また、本土の中でも遺伝的な地域差があることが
明確になりました。

http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2008/20080926_1/20080926_1.pdf