河内国が列島随一の渡来人の集住地域であったことはよく知られているが、
なかでも大和川と石川の合流点付近の中河内から南河内にかけての地域、
令制の郡でいえば河内・高安・若江・志紀・安宿・古市・丹比の諸郡は特に顕著である。
ほかにも北河内の茨田郡・南河内の石川・錦部両郡・摂津の難波津付近・和泉南部の日根地域などに
渡来人の集中的な分布がみとめられる。

列島の古代史1(古代史の舞台)
岩波書店(2006/07/28)
執筆者:熊谷公男 東北学院大学教授(日本古代史)