農地解放については賛否あるからなんともいえんよ。じつは南米でも1950年以降に
各国で行われたけれども自由主義の制約や軍事政権の不正のもとで不十分だったという
批判がある。またフィリピンは現在でも一部の大農場所有者(元スペインや華僑)に占有
されており貧民・原住民の近代化を阻害してるとの批判もある。逆に日本が朝鮮でやった
ことは完全な農地解放で貧民の土地所有につながったものの、典型的な圧制(日帝による
土地収奪)としていまでも糾弾材料の筆頭にされていたりする。けっきょくなにでも言いようで、
批判する側の者が出る限り、かならずそちら側を主張すれば「悪政」となり、得する側を
強調すれば「善政」になる。むろん戦前の日本も土地改革と小規模農民への開拓地の
安価分配は政策でやっていたけれども、資本主義・自由主義の限界があり、遅々として
すすまなかったのは当然(これは現代の農地集約事業の困難さも同様の話し)。