武家が朝廷より官位を受けることに異論を唱えたのが新井白石である。
白石は大名が官位を得るーーつまり、「朝廷の臣下となる」ことで将軍家と大名が天皇の下では対等になってしまうと考えた。
白石によれば、明徳・応永の乱は有力大名の内心にこういった意識があったため起こったとする。
ゆえに幕府は朝廷より独立した身分制度が必要であると説いた。
この白石の指摘は尊王論が高揚した幕末期に現実となった。