続き;
では、高麗史に出て来る「闊端赤」は幕営警備隊か、それとも軍夫集団か?
それは言うまでもなく後者であろう。

例えば忠烈王世家の忠烈王六年二月記事に、次のようにある。
「正軍一万名の一朔の糧は凡そ三千漢石と算得するも、若し夫れ、大軍の多く至ること
三、四万なれば、其の闊端赤も亦た且つ少なからず。」

軍の兵数が増えれば闊端赤の人数も馬鹿にならないから、食糧の量も計算通りにはならない、
と言っている。これは闊端赤が軍の兵数に含まれないことを示している。ただし軍に関して
「其の闊端赤」と言っているから、闊端赤は軍に付属するものである。

軍に付属しながら兵数には含まれないもの、それは幕営警備隊や親衛隊ではあり得ない。
したがってそれは馬牽き集団、軍夫集団なのである。