【歴史】「かくれキリシタン信仰」定説覆す本 信者変容や貧しい生活を否定 生月町の学芸員出版 長崎
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 平戸市生月町博物館「島の館」の学芸員中園成生さん(55)が「かくれキリシタンの起源」を出版した。
前著の内容を掘り下げ、構想から約5年をかけた486ページに及ぶ大著で、独自の視点を展開している。

 かくれキリシタン信仰は捕鯨史と並び、中園さんの研究テーマ。
かくれキリシタン信仰について、従来の研究者が「純粋なキリスト教信仰が禁教令で宣教師がいなくなったことで、
信者が日本の土着信仰と結び付け、変容させたもの」などとしているのに対し、
中園さんは変容ではなく、当初からのキリシタン信仰が続いたことを主張。
神道や仏教とともに残り、オラショ=祈祷(きとう)文=のようにキリシタン信仰の要素をなるべくそのまま継続していたものと論じている。

 また、信者は弾圧を逃れて離島や半島などに隠れ、貧しい暮らしに耐えながら信仰を守ったとする「定説」を覆し、
「生月島では江戸時代に国内最大の産業だった捕鯨業があり、よそからも大勢の人が働きに来るなど、従来の見方は見当外れ」と記している。

 「ここで学芸員として長く研究を続けてきたことで、広い視野に立った調査ができた。
世界遺産登録への潮流に後押しされた面もある。かくれキリシタンの正しい理解に役立てばうれしい」と中園さん。
学問から得た結論は「他者への寛容」と穏やかに笑った。

https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/nagasaki/article/411516