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夏至日は、昼の長さと夜の長さが同じになるとされる。
北欧では、長い冬が終わり、夏が到来したということで盛大に祝う。
巨大な焚き火をして踊ったり歌ったりするそうだ。
しかし、一方、徐々に昼の時間が長くなり夜の時間が短くなってきたのが夏至日をはさんで一転し、昼の時間が短くなり夜の時間が長くなり始める。
そして、夜の時間が長くなり始めると、悪霊があたりを歩き回るようになるとされるのだ。
このために、焚き火をして悪霊や悪運を追い払い、また幸運と夏の終わりには豊作がもたらされるように盛大な祭りを行うのだそうだ。
これが夏至祭の意味だという。
つまり、太陽が最も北へ移動して昼の時間が最も長くなる夏至日を境にして、それが過ぎると一転して夜の時間が長くなり、悪霊が徘徊するようになり災いをもたらす時期に入ることを意味している。

この北欧の夏至日に対する考え方を、秋田県鹿角市の墓域である大湯環状列石の夏至点に向けた立柱の軸線と焚き火の跡を重ねあわせると、
夏至日の昼間が過ぎる夕刻からは夜の時間が長くなり、悪霊が徘徊するようになって、先祖たちの魂魄に災いをもたらすようになり、悪霊の影響で霊力を弱らせた先祖たちの魂魄は住民たちに幸をもたらせなくなるとして、
盛大に焚き火をして悪霊を追い払うための儀式を行ったのだと考えることができる。
さて、そこで冬至についてみてみると、夏至日から一転して長くなり始めた夜は、冬至日に至って最も長くなるが、冬至日を過ぎると再び一転して昼が長くなり夜が短くなり始める。
つまり、冬至日を過ぎると、悪霊が徘徊をやめ、災いをもたらさなくなるわけだ。

                                続く