卑弥呼がもらった? 曹操墓出土と同型の鏡、なぜ大分に...
卑弥呼の鏡「可能性高い」大分・日田で出土の鉄鏡〜中国・曹操高陵の発掘責任者が見解
「三国志の英雄」として知られる曹操(155〜220年)の墓「曹操高陵」を発掘調査した中国・河南省文物考古研究院の潘偉斌(ハン・イヒン)氏が、大分県日田市のダンワラ古墳出土と伝わる国重要文化財「金銀錯嵌・珠龍文・鉄鏡(きんぎんさくがん・しゅりゅうもん・てっきょう)」を、
邪馬台国の女王・卑弥呼がもらった「銅鏡百枚」の一枚である可能性が高いとする見解を明らかにした。
潘氏は、九州国立博物館でダンワラ古墳出土鉄鏡を確認した上で「金錯や銀錯が施される鏡は王宮関係に限られる。この鏡は国宝級の貴重なものであり、公式なルートで日本に伝わったと考えられる」と述べた。
「魏志倭人伝」は、景初3(239)年に卑弥呼の使いが魏の皇帝から「銅鏡百枚」を下賜されたと記している。
ダンワラ古墳の鏡は鉄製だが、潘氏は「倭人伝が『銅鏡』と表現したのは、鏡の総称として用いたのだろう。そこに鉄鏡が含まれても不自然ではない」と解説した。「魏の側からすれば、最高品質の鉄鏡を贈ることで、倭に工芸技術の高さを示そうとしたのだろう」と推測する。