14 名前:世界@名無史さん mailto:sage [2005/09/12(月) 17:43:05 0]
>「満洲」の「洲」を、徐州、抗州などの「州」と同じに思って、「満州」と書いたり
する人があるが、それはちがう。「満洲」(マンジュ)というのは「文殊」(もん
じゅ)なのである。文殊菩薩の文殊である。
 女真はチベット仏教を信仰していた。チベット仏教というのは仏教とチベッ
ト人の古来の宗教とが結びついたものだが、これがチベットから現在の中国青
海州、モンゴル全域から中国東北部まで、たいへん広い範囲にひろがってい
た。そのチベット仏教のいろんな仏さまのなかで女真が一番信仰していたのが
文殊菩薩であった。この仏さまのサンスクリットの原名はマンジュシュリと言
うらしい。これを音訳して、女真は満洲(マンジュ)といい、それを自分たち
の種族名にしたわけだ。
 それともう一つ、国名の「清」といい、族名の「満洲」(マンジュ)といい、み
なサンズイがついている。つまりみな水である。
 というのが、中国では昔からどの王朝も五行(木・火・土・金・水)のいず
れかの徳を持っている。明は火徳の王朝である。火に勝つのは水である。だか
ら国名も族名もみな水にして、明に勝って中国を取る意思を表明したのである
(だから満洲を満州と書いたのではせっかくの水分が五割方減少してしまう)
『中国の大盗賊・完全版』高島俊男