単純な海軍善玉論・陸軍悪玉論は疑問あるらしいが、
日本の破滅は陸軍が大きく関与していたのではないか?

○大本営陸軍部戦争指導班「機密戦争日誌」には、
日米交渉が不調に終わって対米戦争が起きることを願っていた陸軍の姿がある。

「11月5日、略、茲ニ外交、作戦二本建ナガラ帝国ノ対米英蘭戦争決意確定ス。
9月6日以来ヲ回想シ波瀾重畳ノ曲折ヲ懐ヒ真ニ感慨無量ナルモノアリ。
過去ハ過去トシ不満ハ之ヲ水ニ流シ去ッテ将来ニ努力セン。
希ハクバ外交不調ニ終リ対米開戦ノ「サイ」投ゼラレンコトヲ。」

○ヤルタ会談ではドイツ降伏後30日以内にソ連が対日戦に加わる密約が結ばれていたが、
このソ連対日参戦情報を中立国スェーデンから陸軍武官が日本に送ったが、
しかし、この情報は参謀本部作戦課の思惑で握り潰されていた事実がほぼ確実になった。
無視した理由は、政府が進めていたソ連を仲介者とする和平工作が頓挫し、ソ連不戦を前提として計画された
陸軍の本土決戦計画が崩れてしまうからだった。
もし、こういう作為がなく、早期講和が成立しておれば原爆、空襲、満州避難民の悲劇、北方領土問題もなく、
多くの命が失われることもなかったのかも知れないな。
「消えたヤルタ密約緊急電」 岡部伸 著