ただ、怖いのは、清国がアヘン戦争で負けて、広州が開港させられていること。
ここを補給基地にされたら、アメリカ本土が補給基地になっているのよりかは、
アメリカの艦隊も補給(日本との往復)が容易だということだから。

で、さらに怖いのは、そうした状況でアメリカ艦隊が、何度も江戸湾の沖合に、
現れては消え、現れては消えを繰り返す「精神的威圧作戦」。
幕府側は極めてノイローゼになる。


こうした状況の中、外国と密貿易をして儲けたい、日本国内のどこかの外様藩が、
アメリカ艦隊に港の提供等の協力を申し出て、幕府に揺さぶりをかけるような
事になったら、幕府はかなり厳しい状況になる。

日本側の武士団の結束だって、結局のところ、一枚岩じゃないからね。
それを切り崩されれば、「外国船打ち払い戦争」の勝利の前提条件は完全に崩れる。



だったら、そうした大名連中に、密貿易を拡大されて主導権を握られる前に、
「幕府自体が貿易を解禁して独占してしまえ!」

これが、幕府による開国の真相だと思う。