JR東海発行『Wedge』より

産業構造変化を甘く見た大阪
〜日本経済は大阪の二の舞か〜

第2次産業の減少を第3次産業の集積でカバーした東京。
自動車を核に、大阪の1.8倍近い規模の第2次産業を構築した愛知。
第2次産業が大きく落ち込み、第3次産業も育たない大阪。
この傾向は、決してこの10年で生まれたものではない。

歴史をひも解くと、自地域の工業力を過信して規制色を強め、
東京に張り合うことで時間と金を空費した大阪の姿が浮かび上がる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<中略>

さらに「黒田知事は、工場等制限法を厳密に運用し、工場を追い出した。
大学についても同様に、大阪市内の中心部にあった大学を市外に移転させた」

東京都内には約47万人の学生がいるのに対し、大阪市の学生数は約2万8000人に留まる。
「大阪では企業と大学との連携も不足している。若者を大阪市内に戻さなければベンチャー企業は育たない」と前出の秋山氏は嘆く。

<中略>

大阪商工会議所は「大阪を東京と並ぶ全国的な管理中枢地として位置づけ、東京・大阪集中型の編成とすべき」と建議した。

この「二眼レフ論」のような「東京と張り合う志向」がもたらした典型例が関西新国際空港である。
関空をどう作るかは70年代の関西財界における権力争いの主たるテーマになった。
紆余曲折を経て、バブル崩壊後の94年に開港した関空と95年に開業したWTCビルは、大阪府、市の財政を今でも苦しめている。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1587