週刊新潮 2016年11月10日神帰月増大号
化学専門月刊誌でサリン事件を回想した「麻原主治医」のオウム死刑囚
ttp://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20161102/

〈当事者が初めて明かすサリン事件の一つの真相〉
 そう題されたの6nの手記が載ったのは、月刊『現代化学』誌の11月号である。
    ・・・(略)・・・
 うち「真相」に当たるとされる部分は主に2つだ。
〈地下鉄サリン事件のサリン原料DFを保管していた者は誰か?〉
 との質問に、〈村井氏の指示で井上氏が持っていたのです〉
 と答えている部分。
 そして大要、
〈第7サティアンでサリンができていたのか?〉
 という問いに、
〈できていません。第7サティアンと松本・地下鉄サリン事件は無関係です〉
 と述べている箇所である。

「この手記は、私が中川さんに勧め、出版社に掲載の同意をもらったものです」
 と言うのは、米国コロラド州立大学のアンソニー・トゥー名誉教授。台湾出身で日本語も堪能な氏は、
毒性学の世界的権威ということもあり、5年間から中川死刑囚と特別に交流を許され、これまでに10回、
面会を重ねてきた。
「その中で、DF、つまり、地下鉄で撒かれたサリンの直接の元になったジフロロ化合物について
“井上が持っていた。しかし、取り調べの中では教団の罪を隠す意味もあり、自分が保管していたと
供述してしまった”と言う。また、散布されたサリンも、製造工場として有名になった第7サティアン
ではなく、土谷正美、遠藤誠一両死刑囚の『土屋棟』『遠藤棟』と呼ばれるプラントで出来たものだと
言っている。いずれも裁判の結果とは異なる話ですので、真相を明らかにした方がいいと勧めたのです。
…(略)…」