リー・クアンユー回顧録(上)
日本版への序文

 私は、日本軍の占領下で幼少時代を送った。
日本兵に何度もひどい日に遭わされた。
銃口の下での人の行動、動機、衝撃を目の当たりにし、
統治をする上での政府や軍事力の役割などその時に学んだことも多い。
厳しい罰を科すと人は犯罪を起こさないということも私は戦時中に学んだ。

 私は、日本から多くのことを学んできたが、一方で率直に批判もする。
とりわけ戦争中の行為への謝罪に明らかに消極的な姿勢を問題にする。
過去を清算し、将来への新たな一歩を踏み出すべきだ。
「アジアの中の日本」の歴史の一こまを日本の若い世代の人に読んでもらうことは、意味のあることだと思う。

 アジアにおける日本の役割は非常に大きい。
経済的なつながりがますます強まるなか、
アジアの各国は互いの国のことをもっと知らなければならない。
この本がその一助となることを期待したい。
 
 二〇〇〇年八月
                                     リー・クアンユー


マハティールもリークアンユーも
日本が独立の「遠因」をつくったことは認めているが
日本が独立させたわけではないし
欧米列強に成り代わって支配者になろうとしただけの存在だわな。
失敗したわけだが。